“万葉と神話”の庭である。
万葉歌に詠まれた木々や草花が茂り、
そのそばに歌が添えられている。
歌を読んでも、正直いって、意味はよくわからない。
でも、芝生に腰をおろし、
日本の自然の美しさを模した庭をながめ、
美しいリズムを刻むせせらぎの音を耳にしながら、
和歌の言葉を何度も何度も繰り返してみる。
ゆったりとした時間のなかで
言葉がリズムになってリフレインする。
ああ、これが日本語なんだ……。
1000年という時間の広がりのなかで、
言葉が果てしなくこだましつづける。

庭園
和歌1 これは必見!
万葉と神話の庭

歌聖・柿本人麻呂の左の歌が、さりげなくクマザサの横に書いてある。万葉集に出てくる約50種の植物が植えてあるこの回遊式庭園では、その植物の側に必ず万葉の歌が添えてあるのだ。ここはぜひ、ゆったりと歌を噛みしめよう。万葉時代の服を借りて着ることもできるから、その衣装をまとって散歩してみれば、気分はもう万葉歌人だ。
エントランス
国府町を見わたす
入口にある国府町の立体図。ガラス張りになっているその上に乗ってみると、国府町での一日の移り変わりがわかる。ただそれだけで、何となく神秘的な気分になるから、不思議だ。


タイムトンネル
順路を進むと不思議なオブジェに囲まれた空間が出迎えてくれる。床にはモニタが置かれ、美しい川のせせらぎに流されていく短冊が映し出されている。そこに書かれているのは、あの大伴家持最後の一首。ここを通ることで、訪れる人は万葉の時代へとタイムスリップする。
エントランストンネル
伊福吉部徳足比売ホール
伊福吉部徳足比売?
さあ、この人の名前は何と読むでしょう? もし知っているとすれば、よほどの歴史マニア。この地の豪族の娘で、采女(うねめ)として天皇につかえた女性。さしずめ「因幡のスーパーレディ」といった存在で、大伴家持と並ぶ歴史館の二本柱だ。(ちなみに「イフキベノトコタリヒメ」と読む)


ミラービジョン

大伴家持ホール

ミラービジョン
大伴家持ホールと伊福吉部徳足比売ホールには、二人の生活をわかりやすく映像にしたミラービジョンがある。幻想的な画面と奥行きのある立体的な映像が、何ともいえず楽しい。特に家持ホールでは右の家持最後の歌の誕生秘話が紹介されている。

和歌2
石室模型

因幡の遺跡たち
さすがに神話の里だけに、因幡にはたくさんの史跡がある。彩色壁画で有名な梶山古墳や安徳天皇の墓伝説で知られる岡益の石堂など数々の遺跡をまとめて、ここで探訪できる。(もちろんレプリカだが……)

歴史が見わたせる?
時の塔

この歴史館のシンボルタワー「時の塔」。周辺にこの塔より高い建物がないだけに、周囲に広がる「万葉の里」が一望できる。その風景を見ながら一首詠み、それを「大伴家持大賞」に応募してみる?
時の塔
歌碑
歌碑に刻まれる名誉
「万葉と神話の庭」に、現代に詠まれた歌碑がある。これは毎年国府町で行っている「大伴家持大賞」で入選した歌がその記念として刻まれているのだ。今後は、この庭からつづく「万葉の道」沿いにも建てられる予定。

事務局長 山本清教さん
事務局長 山本清教さん
万葉集最後の地を誇りとして
  • 万葉集は日本最古の歌集です。天皇から防人まで幅広い人々の歌が収められているという点を考えても、本当に貴重です。この貴重な万葉集の最後は、大伴家持が因幡の国庁で詠んだ歌でしめくくられ、また、大伴家持自身、この万葉集の編さんにもかかわったといわれています。私たちは、この因幡の国が、万葉集終焉の地であることを誇りにしております。そしてこのことを通して町の活性化に努めています。
  • ●平成6年10月オープン以来20万人の方々にご来館いただいており、改めて万葉集の人気を認識させられています。全国的には、まだ万葉に関する歴史館は少ない数ですが、今後はこうした施設とお互いに連携し、交流の輪を広げ新しい企画を提案できればと思っています。